「コントが始まる」最終回を見た マクベスとSixTONESの話

ドラマ「コントが始まる」最終回を見た。

コントが始まる、推してるグループ、あるいは推しのいる全てのオタクにとって中々苦しいドラマだったんじゃないかな。

春斗はジェシーだった、中浜さんにとってのマクベスは私にとってのSixTONESだったという話。そしてジェシー1万字(Myojoの1万字インタビュー)が出てピースが一応完成したので、少し踏まえつつ。

 


マクベス菅田将暉くん演じる春斗、仲野太賀くん演じる順平、神木隆之介くん演じる瞬太の3人組お笑いトリオ。高校生のとき春斗が「コント真剣にやりたい、お前しかいない」と順平を誘ってコンビを組んだ春斗と順平、そこに後から瞬太が春斗に誘われて参加。そんなマクベスに人生どん底のときに出会ってマクベスのオタクになった有村架純ちゃん演じる中浜さんと周囲を取り囲む人々のお話。

 


3人が高校を出て進学もせずコントというお笑いの道へ進んで、10年という青春時代を全てマクベスに賭けてきたこと  瞬太ちゃんが高校のとき死にたさから春斗に救われて 春斗が笑う世界で生きたいと思ったこと  春斗が自分の夢に2人を巻き込んだという意識があること 結果としてマクベスは解散したこと でもそんなマクベスに救われたファンがいること

 


なんか全てが私から見えるSixTONESとも重なってすごく苦しくなりました。

コントが始まる、最初は見てて「推しGに出会って暗い生活に光が差して前を向けた、そしてそんな推しGの解散に向き合わねばならなくなったいちオタク」の話だと、とにかくマクベスに関わることは全て調べ上げて追いかける中浜さんのオタク魂に共感しながら中々しんどいなぁと、オタクとして人ごとではなくずっと見ていたんですけど  今回の最終回でやっとあぁSixTONESとわたしだと気付きました。いやSixTONESとわたしという二構造にしてしまうには烏滸がましすぎるし私の場合はどん底で出会って…というようなドラマチックさは無いのですが。(エリザで狂って超楽しいときにスコーンと沼落ちした)

 


高校の時死のうとして(るように見えた)屋上にいる所を春斗に救われた瞬太。瞬太の春斗へのバカデカ激重感情にはやられました。「「お前しかいない」と言われた順平を心底羨ましいと思った。男としてこれ以上嬉しい言葉は無いと思ったから」と、ずっと春斗を眩しく見つめていた瞬太、細かいセリフは覚えてないんだけど、「春斗が笑ってる世界で生きたい」みたいなこと言ってませんでしたっけ。妄想だったらごめんなさい。親とも縁を切りぷよぷよ意外何もない空っぽだった瞬太が春斗に誘われてマクベスに入れて貰えてどれだけ嬉しかったか。春斗のためにコントを始めた瞬太、空っぽな瞬太はコントのために何かを犠牲にした訳でも人生を捧げた訳でもなく、ただ「神」から手を差し伸べられたからその手を迷いなく取って導かれたんだろうなぁ。他に居場所の無い瞬太ちゃんが、多分マクベスに一番依存していたんだと思う。

そう、この瞬太→春斗への矢印がどうしてもメンバーからジェシーへの矢印に重なってしまう。それこそ「北斗は芝居がやりたいんだ」と声に出して俳優としての道を開いてくれた、「ほくじぇ」として2人で生きた時代があった北斗→ジェシーにも、「ジェシーが白いものを黒と言ったら俺も黒だと言うし、どんな時でも運命を共にする覚悟はできています」な樹→ジェシーにも。他のみんなも少なからず同じような思いをジェシーには抱いているはずだと思う。

そして最終回の春斗がコントをやりたいという自分の夢に「順平と瞬太を巻き込んでしまった」というセリフを聞いてハッとしました。丁度ジェシー1万字で「5人を巻き込んでしまった」「巻き込んじゃった以上、デビューは必ず達成しなきゃいけない大きなミッションだった」という意識があると読んだばっかりで。(SixTONESはJr.時代ドラマ私立バカレア高校で集められた6人がバラバラになって、それぞれが色々ある中挫折してジャニーズをやめようと思っていた所でジェシーが「この6人でもう一度やりたい」とメンバーに声をかけて再集結させ、ジャニーさんに直談判して2015年にグループ名を貰いました)  そっか、春斗はジェシーなんだ、と気付かされました。大人になる寸前で、何となくまた6人でやりたかったものの今更ちゃんと「またやりたい」なんて恥ずかしくて言えなかったメンバーたちにとってその声を純粋に真っ直ぐに上げてくれたジェシーはやっぱり5人の精神的支柱で、神様なんだと思う。樹ちゃん1万字の「正直、最初はSixTONESとしての未来に疑心暗鬼だったけど、あいつは最初からSixTONESを信じた。今だって、みんなSixTONESのこと大好きだけどその気持ちはあいつが一番強いと思う。このグループの舵を取る権利も義務もジェシーにあると思ってる。ある意味、俺はずっとジェシーの補佐でいようって思ってるかな」という言葉と、

慎ちゃん1万字の「このグループの支柱はジェシーなんです。〜やろうとしてることが本当にSixTONESにいい影響を与えられるか確信が持てないときがある。そんなときは、ジェシーと話をして、考えてることが同じ方向だって思えると、あ、間違ってなかった、SixTONESにとってプラスになるって確信できる」という言葉がメンバーのジェシーへの揺るぎない信頼が受け取れて、とても刺さっています。

 


ジェシーの「俺が勝手に先走ってグループになっただけで、メンバーにはしなくてもいい苦労までさせて巻き込んじゃったのかなって思ったこともあった。これで、もしデビューできなかったらって。でも違った。この6人で何者かになりたいって願ってたのは俺だけじゃなかった。いつの間にか全員の夢になってた」という言葉で6人の1万字の最後に答え合わせするの、ズルいですよね。(泣)

ジェシーを核としながら、SixTONESに青春最後の人生を賭けたSixTONESのメンバーたちは、そこから目の前のことを6人で必死にやってきて、今もその夢を全力で追いかける真っ只中にいて。

でも、ドラマの中で今マクベスは、時間切れ、解散という道を選んで、コントをやってきたのは失敗だったのか 俺たちは負けたのか 「この10年の意味」というものを模索していて。

きっと世の中にはマクベスSixTONESのように、青春時代に「絶対こいつらだ」というような仲間と出会い、毎日バカやりながら笑い合って、真剣にその活動に向き合って、でもいつ「成功」できるのだろうか、本当にこのまま続けていていいのだろうか、何かを変えるべきなのだろうか、と模索しながら共にそれぞれの「夢」を追いかけてるグループがごまんといる。それはお笑い、アイドルに限らずありとあらゆる世界で。その中で「成功」できるのはほんのひと握りで、きっと大多数はマクベスのように時間切れになってしまう。もちろんマクベスの10年は絶対に絶対に無駄ではなく、失敗なんかではない。中浜さんが人生どん底のときにマクベスに出会って彼らを見ているうちに気付けば生活の一部になっていって、生きる活力を得て、出会いがあって、人生が良い方向にどんどん転がり出していったように。中浜さんの春斗へ語った「この先どんなに面白い芸人さんが現れても、マクベスのお三方だけは特別なんです。頑張ってる姿も悩んでる姿ももがいてる姿も見てしまってますし、私個人的には一番苦しい時を支えて頂きましたので。あなた方が精魂込めて作り上げたコントはこの世から消えることはありません。何よりファンの記憶の中にしっかりと残り続けていきます。私はこれからもあなた方の書いたコントに何度も救われるでしょう。もしかしたら笑うことより泣くことの方が多いかもしれません。それでもお約束します。ファンで居続けることを。マクベスに出会えて本当に良かったです」この言葉にはどうしたって私にとってはSixTONESを思い起こさずにはいられなかったし、そしてこれは全ての「誰かを応援しているファン」「かつて誰かを応援していたファン」の思いの総意がぎゅっと詰まっているなと感じました。

 


本当にくだらないことでめちゃくちゃ楽しそうに盛り上がったり、仕事やプライベートのことでぶつかり合ったり 悩んだりとにかくずっと3人で頑張ってきたマクベスの姿を見ているから、気持ちは中浜さんだから、マクベスが夢に区切りを付けて解散する選択をしたことはやっぱり苦しい。そして私もまたSixTONESがくだらないことでギャーギャー騒いでる所や真剣に音楽に向き合っている姿勢 現在のSixTONESに至るまでのみんなの挫折や歴史を知っている今、(もちろんそれは表向きの、彼らが「見せてもいい」とした所までを見せて貰っているだけで、勝手に解釈しているだけで本当の本当の裏側のことや気持ちは分からないけれど、)私の応援しているSixTONESがやっとデビューして他のアーティストと同じ土俵に立つ所まで来てその夢を追いかけてる真っ只中の姿を見ていられること、こんな奇跡の中を一緒に生きてるだけで幸せなのにSixTONESからはファンも一緒にSixTONESを作り上げるteamって言ってもらえることが本当にすごいことだと改めて思って。

中浜さんとマクベスSixTONESたちが私と同世代ということも余計に苦しいんですよね。同世代だから、解散してその後どう生きればいいのかとか  社会で生きる苦しみや悩みや その社会に取り残される感覚とか その中で何かに縋りたい気持ちとか マクベスたちの気持ちも中浜さんの気持ちもすごく生々しく分かる。そしてSixTONESのみんなの苦しんだこととか どうやって乗り越えたかとか そこでどうメンバーに救われたとか  みんながどれだけSixTONESが好きかとか アイドルとしてSixTONESとして、社会人としてどう仕事に臨んで 厳しい芸能界で闘って 大人たちと関わって 「SixTONES」を作っていってるかとか 一応社会の歯車の1人として働いている身としては、彼らの立ち回り方や生き方、仕事への姿勢には本当に尊敬するんです。例えば人見知りだとか友達が少ないとかいう北斗の感じるような生きづらさとかすごく分かって、その中で自分を曲げずに勝負して闘ってる姿とか  逃げ癖があるというきょもがプレッシャーから逃げずに大舞台に挑む姿とか  ジェシーが日本のアイドルジャニーズの中で「ハーフ」の自分の需要とか悩んだ時代から「あいつ面白い奴だな」と思ってもらうためにどんどんギャグを生み出すエンターテイナーになって自分を確立していったこと、そして今はその自分の血も身体もアイデンティティとして前向きに健康的に愛していることとか 樹ちゃんの「味方」「仲間」への愛情のかけ方とそのteamが成功するための戦略の立て方と言葉のかけ方とか、同世代としても本当に凄すぎると感心してしまう、尊敬する所ばかりで 眩しくて。それぞれ挫折を経験して、「夢」を諦めようと、ジャニーズを辞めようとしていた人たちが、ジェシーの「また6人でやりたい」の声で それでもこの6人なら、ってSixTONESに人生を賭けて、また走り出した彼ら。色んな媒体での姿やインタビューを通して、そういう人間として、どう悩んでどう克服して、生きてきて今もこの6人でいるか、アイドルでいてくれてるか知ってしまっていて、それは「見せてくれた」部分をかき集めて知っている情報でしかないけど、とにかくそんな弱い部分や苦しかった時代を知っていて、存在が愛おしくて仕方がないかつ人間的に尊敬してやまない6人が全員「こいつらしかいない」というメンバーで結託して見事に活躍している様を見ているので、こんなに楽しくて泣きたくなるほど幸せなことは無いんですよね。そしてこれだけ信頼できる仲間と一緒に同じ方向向いて走り続けて仕事ができる彼らが本当に羨ましくて、各々の分野で活躍してそれをグループに持って帰ってどんどん「SixTONES」を大きくしていく姿が、本当に眩しいんですよね。私は君たちがその夢を叶える所を見たい、どこまで登りつめるのかを見届けたい。これは美談でも何でもなく私のエゴです。


推しがエンタメの世界で生きて、諦めずに、投げ出さずにその姿をステージで見せ続けてくれることは、本人たちの実力や努力はさることながら色んな運とか、タイミングとか本当に奇跡の重なりで、ジェシーちゃんの言う「人生まさかの連続」で、でも「アイドル」として姿を人前に見せるために「人間」であるいくつかの部分を犠牲にしているのかもしれなくて、何が起きていつ突然私たちの前から消えてしまうかも分からないことはよく分かってるつもりだけど、とにかくこれだけ贔屓たっぷりデロデロに愛でている推しGを全力で応援できる幸せを噛み締めながら 、SixTONESの「その時」のことを考えて私はその時どうしているか、どうするのか、そして彼らはその荷を下ろした時どうするのかと、「コントが始まる」を見て苦しくなってしまったという話でした。